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2024年の営業について

槍ヶ岳山荘グループの山小屋を利用される方は必ずご一読ください。

東鎌尾根登山道整備のお手伝い

こんな天気になって欲しかった!

台風接近中につき、暴風吹き荒れております。
こんにちは、槍ヶ岳山荘です。
これからもっと強く吹くのでしょうか?昨日までで出来うる台風対策はしていますが、3000mの稜線での台風接近、何が起こるか分からないので心配です。
台風が上陸、または接近している各地にも大きな被害が無いことを祈っています。

この連休に山への予定を決めていた方々もそう思っている事でしょう。
「何でこのタイミングなんだよ!!」と。
我々小屋番も同じ思いであります。秋の繁忙期。気合を入れていたところのこの台風。
今日の山荘は絶賛、秋のお掃除祭りを開催しております。
台風が無事に過ぎ去ったあかつきには、万全の態勢でお迎えできるようにスタッフ一同頑張りますね。

紅葉の本番はこれから。
晴れた日に是非、お越しください。

東鎌尾根登山道より

さて、今回は先日参加させていただいた、東鎌尾根の登山道整備についてです。
北アルプストレイルプログラムというものを御存じでしょうか?

「北アルプスの登山道は、山小屋を中心とした関係者の労力と資金、それらを支援する行政の取組によって維持されてきました。近年、ヘリコプター輸送費の上昇や登山道被害の増加、コロナ禍など、環境の変化により、これまでの枠組で登山道を維持し続けることが難しくなっています。そこで、利用者の皆様に登山道維持の現状を正しくお伝えしたうえで、皆様からの協力や参加により登山道を維持していく新たな制度について検討を行っています。」
( 北アルプス登山道等維持連絡協議会 より)詳しくは、下記のリンクへ。
https://nationalpark-japanesealpstrail.jp/

整備途中の東鎌尾根登山道
整備後の登山道(反対側から)

東鎌尾根の登山道整備は今年で3年目、20年前の群発地震で整備した登山道の老朽化に伴う事業です。今回の工事から北アルプストレイルプログラムにご参加いただいた皆さんからの協力金も割り当てられております。ご協力いただいた方々、ありがとうございます。
また、登山道整備は大自然の中でのこと。整備しては次が崩れ、また整備する。
気の長い仕事です。今後ともご協力いただけたら幸いです。

そして、この3年東鎌尾根の整備を担当してくださっているのが、加島常駐隊隊長率いるMSKの皆さん。今回は4名の方が整備に携わってくれました。
加島隊長は20年まえの整備も行った大先輩。
「まさか2回も整備するとは思わなかったよ」とおっしゃっていました(笑)。
自分が整備した登山道を時を経てまた自分で整備する。とてもスケールの大きな事ですね。
今回初めて「お手伝い」という事で参加させていただきましたが、MSKの皆さんの技術と経験を間近で見ることができ、本当に勉強になりました。
これからの小屋周辺の整備に活かしていきます。

そういえば、休憩中に通過した登山者の方が、先の方の階段に差し掛かった時に「地獄や」とつぶやいていて、50mくらいは離れていたのですが、静かな山でのこと。バッチリ皆さん聞こえていて、「我々は、地獄を作っていたんですね」と。休憩中も楽しい時間になりました(笑)。
どんな地獄かは、皆さん実際に歩いてみて下さい!

今回整備した地獄?の木階段

今回参加したのは3日間。
2日目に夕立で雨に降られましたが、雷はなくケガもせず無事に終えることができました。MSKの皆さん、ありがとうございました!

また、今回はヒュッテ大槍さんに泊まらせていただき、大変お世話になりました。この場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございました。
他の山小屋に泊まる機会はなかなか無いので、新鮮でとても刺激を頂きました。

最後にいくつか写真を。

新たに土留めを設置
階段を設置してその上に石を積む
今回整備した登山道を見渡す
次の整備場所へ
ある日のヒュッテ大槍さんのお弁当。美味しかったです。
9月16日の日の出
早く台風が過ぎ去って欲しいですね。

以上、山荘脇本でした。