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2024年の営業について

槍ヶ岳山荘グループの山小屋を利用される方は必ずご一読ください。

入山→小屋開け→槍沢ルート情報

 4月18日、昨年の11月上旬に解散したメンバーが再び松本事務所に集合し、いよいよ令和5年度のシーズンが始動しました。
今年は外国人登山者の増加も見込まれる為、松本事務所で英会話研修を受け、その後キックオフを実施。

半年振りに集まったメンバー
今年もヨロシク!

 4月19日、朝のうちは風が強くしばらくヘリポートで待機していましたが、その後予定通り現地へ入山。
槍ヶ岳山荘のスタッフはヘリで現地に入りました。

パイロットの肩越しに槍の姿が。
ただいま!

 小屋は大きな損傷もなくひと安心。息を整えてからすぐに玄関の掘り出し等の除雪作業を始めます。
全体的に雪が少ないという情報でしたが、小屋周りはそれなりにあります。
後述しますが、標高の高いところはそれなりの積雪量がありますので、ご注意ください。

 その後は連日の好天続き。お陰様で外作業が捗ります。

初日からこんなに綺麗な夕焼けも。
今年は今年は良いことありそうです。

 休憩時間にはスタッフと穂先にも登ってきました。最後の梯子の直下にはまだ雪が残っており、下りは特に注意が必要です。

慎重に進む沖田氏
久しぶりの穂先。
北鎌ルートにはトレースが!
最高の景色です

 4月24日、26日の荷揚げと27日の上高地開山祭に向けて今シーズン初の下山。早朝はマイナス10度まで冷え込み、日中も最高気温がマイナス3度というコンディションでしたので、少し緩むのを待って9時頃出発。道中、旗竿立ての作業をしながらの下山です。

ドリルで雪に穴を開けながら
旗竿を立てていきます

小屋の直下はカチカチツルツルで、慎重に歩く必要があります。ですが、途中で少し緩み始め、殺生ヒュッテあたりで一息付けました。既に岩があちこちで露出していた昨年と比べると、雪の量はそれなりにあります。

 従来の雪の量に比べれば全体的に少ないと言えますが、極端に少ない訳では無く、標高の高いところはそれなりの時期まで残りそうです。そもそも従来の雪の量というのが都市伝説になりつつある訳ですが。。

こちらは昨年の同じ日の写真。
分かりにくいかもしれませんが、昨年よりは雪が多いです。

 それにしても今年はデブリが全くありません。雪も締まっており、滑るのには最高ではないでしょうか。25日、26日の悪天候でどう影響するかはまだ分かりませんが、今の時点で言えば、今年の山スキーは槍で決まりでしょう。

こちらはグリーンバンド付近より

 歩くにも踏み抜きもせず、非常に歩きやすかったです。関係者の方も複数名同行されてましたが、皆さん安心して下山されていました。

ババ平より

 ババ平を過ぎると少し夏道が見え隠れしますが、トラバースする箇所もありますのでアイゼンは付けたまま行きました。槍沢ロッヂから下はほぼ夏道です。アイゼンも必要ありませんし、ストックにキャップを付ける必要があります。

 好天が続いていたので、槍にも登山者がチラホラといらしてました。槍まで登られた方々は当然しっかりとした装備をされてましたが、帰り際に横尾で聞いたところ、軽装で明らかに準備不足の人も見かけるとのこと。このブログをご覧になってる方は大丈夫だとは思いますが、改めてきちんとした準備をお願いします。

 それではそれでは今年もどうぞ宜しくお願いします。