2024年の営業について
2023/09/12
9月も中旬に差し掛かり、そろそろ紅葉が気になる頃かと思います。
今年は夏の天気も良く、午後にはにわか雨の降る日も多く、ほどほどのお湿りもあったので、良い紅葉が期待できるのではと思っております。あとはこの先の冷え込み次第ですね。
例年なら稜線から初氷の便りが聞かれてもいい頃なのですが、今年はまだその兆しはありません
岳沢の紅葉・黄葉(以下、まとめて紅葉と書きます)は森林限界である岳沢パノラマ~かもしかの立場間の標高2500m付近から始まります。
タイミングで言うと、だいたい9月25日頃です。
そこから始まった紅葉が上高地(標高1500m)まで約一ヶ月かけてゆっくりと下っていきます。
岳沢小屋から見上げる前穂・明神の山肌が錦秋に染まるのはだいたい10月の初旬頃です
同じころ、別アングルで岳沢小屋を望むと…
多くの方々にカメラに収めていただいているアングルです
この時期は上高地から紅葉見学で日帰りの人も多く、たいへん賑わいます。
「紅葉と言えば涸沢」ですが、涸沢はちょっと遠いので日帰りで楽しめる岳沢も人気となっています
もう少し季節が進むと広大な岳沢のカール底に広がるダケカンバ林が黄色く染まる光景が、小屋から30分ほど登ると見られますので、できれば日帰りの人にも足を伸ばしていただきたいところです
また、こちらはバリエーションルートとなりますが、西穂高沢の末端あたりからは違ったアングルでの岳沢の紅葉が見ることもできます(要:ヤブ漕ぎ)
なお、ひとつだけ注意点があります。
岳沢の紅葉を見るのに良い時間は9時~15時くらいです。
それより前の時間は深い谷底の岳沢には朝日が差し込んできません。
また日照時間の短い秋は15時を過ぎると西穂の稜線に日が沈みます。
紅葉を見るだけなら上高地を早朝に出発し、10時~14時くらいまでゆっくり滞在しながら周辺を歩いてみるのがおすすめです。
時々、泊りで岳沢の紅葉を見に来ていただくのですが、小屋の到着が17時、そして翌朝7時には下山されるようなスケジュールの方がいらっしゃったりします。それでは、岳沢の紅葉のきれいな面が全然見られませんので、ぜひお時間には余裕を持ってご計画ください。
さて、10月も10日を過ぎると岳沢小屋周辺の紅葉は終わり、岳沢下部が見頃となってきます。
途中の紅葉がきれいなので、それらを眺めながらノンビリと登り、岳沢小屋から見下ろす紅葉が良い時期です。
そして、10月20日を過ぎると穂高の山には本格的な降雪が始まり、こうなると岳沢小屋から吊尾根を越えて穂高へ向かうのは困難となり、岳沢小屋の営業は実質的に終了し、小屋閉め作業の始まりです。
さて、ここに示した日付はだいたい平年並みの日にちです。まだ今年の紅葉時期がどうなるかは今後の冷え込み次第ですので、今後随時お伝えできれば思っています。どうぞ、ベストなタイミングとベストな天気の日にお出かけください。