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前穂高南稜(岳沢槍ルート)

岳沢槍とは、岳沢小屋から見える槍のような尖がり。
前穂高岳から明神岳方面に連なる前穂南稜上の小ピークです。


他の場所から見てもなんの特徴も無いピークですが、岳沢小屋からは槍の穂先のように見えるので、このように呼んでいます(正式名称ではありません)

今日はまず前穂高岳へ。

奥明神沢からダイレクトルンゼルートで登りました。

雪不足の今年、奥明神沢からダイレクトルンゼへの分岐付近はかなり雪が少なくなってきています。

また、「ノド(喉)」と言われる最狭部はすでにこんな状態です。
この先、さらに雪解けが進むと滑滝のようになり、朝は凍り付き、かなり通過が困難になることも予想されます。
今後、下降時にはザイルがあった方が心強いかもしれません。

まだGW前半は通過できそうですが、今後まとまった雨が降ったりしたら、さらに雪解けが進んでしまうかもしれません。

この辺りが通過困難となったときの前穂へのルートが前穂南稜(岳沢槍ルート)となります。

ダイレクトルンゼを少し下ってから明神岳方面へ向かいます。
ただ、このルートは時々踏み跡がある程度で、登山道ではありません。
浮石も多いので落石を起こさないように細心の注意が必要です。
また、ルートファインディング能力も要求されるので、「西穂~奥穂ルート」を何度も行っているような上級者向きと考えてください。

これが前穂側から見た「岳沢槍」、この向こう側はさらにダイナミックな岩場が続き、ルートを見極める能力が要求されます。

この岳沢槍からの下降がもっともルート判断に迷う場所です
また落石を起こしやすいので気を付けてください

岳沢槍の難所を過ぎると、奥明神のコルは目の前。
向こう側は明神岳への登りとなります。(明神岳から下りてきた登山者が見えますね)
なお、明神岳のこの岩場は下降にザイルが必要です。

今後の雪解けでダイレクトルンゼの利用が難しくなってきたら、またブログでご案内しますので、その際はこの前穂南稜(岳沢槍ルート)をご利用ください。(但し、難易度はそれなりに高いということは肝に銘じてください)