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山の学校(春)2回目レポート

こんにちは、槍沢ロッヂ佐藤です。約2週間前の第1回に引き続き、5/29-30の日程で山の学校が開催されました。今回は2年目の佐藤が山行に同行させていただきました。登山の様子を、最新の登山道状況とともにお伝えさせて頂こうと思います。

今回の参加者は6名。そこにガイドの畠山さんと私の計8人で出発しました。

8時30分 強風が収まるのを待って槍沢ロッヂ出発

29日は予報の通り朝から雨風。時間を少々遅らせ、槍沢を出発しました。山頂では吹雪との連絡があり、厳しければ撤退も視野にいれるとのこと。天候が回復するのを祈りながら歩きます。

10時10分 大曲手前,雪も解け槍沢がこんにちは
大曲のクラックの様子,よそ見してると一瞬でのみ込まれる恐怖がそこにはある…

10時過ぎ頃大曲に到着。ババ平までは完全に夏道ですが、大曲周辺はやっと雪解けが目に見えてきた頃。大きな雪の裂け目を横目に、慎重に歩を進めます。

雪山を登る上で正しいアイゼンの装着は非常に重要,仲間内で教えあいます

大曲でアイゼンを装着し、まずはグリーンバンドを目指します。ここから先はまだ全面雪に覆われています。 日中は雪も緩んできますが、朝夕はまだまだ冷え込み固いです。しっかりアイゼンを準備しましょう。ちなみに私は靴の関係でKOHLAのストラップ式。どなたかご愛用の方いらっしゃいますか?

1歩1歩を踏みしめる我々を笑うかのように近づかない穂先…
否,我々は確実に進んでいる‼

グリーンバンドを越えると正面に穂先が姿を現します。目標を目の当たりにし歩みに力がはいりますが、その姿はなかなか近づいて参りません…‼ここを歩いたことのある人なら分かるはず。最高の景色と達成感への期待を胸に、1歩1歩進んでいきます。

そしてついに

14時30分頃、槍ヶ岳直下に位置する、槍ヶ岳山荘に到着。雄大にそびえたつ穂先が我々を迎えてくれました。これまでガスがかかっていたのがウソのように晴れ、常念や蝶ヶ岳がはっきりと見渡せました。この景色を見ると、ここまでの疲れも吹っ飛ばされてしまいます。

この日は翌日の山頂アタックに備え、早めに休みました。そして翌日の早朝ついに槍ヶ岳山頂へ!!
快晴の山頂とはいきませんでしたが、とめどない達成感と大パノラマを前に、皆自然と笑顔が溢れます。登頂おめでとうございます!

山頂での余韻も束の間、下山時にはガスと強風に見舞われ、手足に緊張が走ります。固い雪面に対して踵を意識し、登りよりも丁寧に踏み出します。

強風域を抜けた!

最後は丸山付近の斜面で滑落停止訓練をしました。畠山さんの指導に従いそれぞれピッケルを手に斜面を滑ります。上手に止まれましたでしょうか?

滑落しないことが一番ですが、万が一の時に備えて道具の正しい使い方をしっかり覚えましょう。私は昨年までピッケルのブレードが何のためにあるのか知りませんでした!

訓練を終えて大曲へ到着。全ての難所を抜けホッと一息 。2日間お疲れさまでした!

これにて山の学校2回目のご報告を終了させていただきます。充実した2日間を皆様と一緒に過ごさせていただき、本当にありがとうございました!

山の学校は毎年春と秋に開催されております。詳しくは槍ヶ岳山荘グループのホームページ掲載されておりますので、興味を持たれた方や槍は初めてという方、是非ご連絡ください!