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今年最初の下山

小屋開け作業も順調に進んでおり、26日には初回の荷揚げ、27日には上高地開山祭と、下界でのイベントを控えている為、本日下山しました。
上から下までスタッフが歩くのは今日が初めてですので、登山道の様子をお伝えします。

最初に総評です。
小屋周りは以前も書いた通り、かつてないほど雪が少ないのですが、殺生ヒュッテより下部はここ数年と同じくらいです。
つまり、例年よりは少なく、従来の1ヶ月先、5月下旬並みの雪の量ですが、稜線のように異常なくらい少ない、という程ではありません。
また、雪は思ったよりも歩きやすく、心配していたほど踏み抜きもせず、快適に歩けました。

ただし、明後日以降の悪天候により、状況は大きく変わる可能性はあります。
ゴールデンウィークに行かれる方は、必ず直近の情報を仕入れてください。
また、雪が少ないといっても残雪期の槍ヶ岳です。
誰でも登れる場所ではありませんので、ご自身の体力、技術、経験、装備をきちんと鑑みてご判断ください。

それでは詳細です。
正確にお伝えする為、上から順になること、ご容赦ください。

槍ヶ岳山荘直下にある
東鎌尾根と槍沢の分岐

槍ヶ岳山荘直下は、やはり雪が少ないです。
本来であればあまり考えずに直登できるのですが、所々に石が出てしまっています。

殺生ヒュッテの様子

殺生ヒュッテの南面は、例年スタッフが入山する5月下旬の頃よりも少ないそうです。

グリーンバンド上部にデブリがあり、またハイマツも出ている為、ルートは夏道方面にとる方が良さそうです。
ちなみに槍ヶ岳山荘から丸山付近までは、昨日スタッフが目印となる旗竿を立ててあります。
そこから下は、恐らく明日以降に槍沢ロッヂのスタッフが立ててくれることでしょう

大曲上部
正面にあるこんもりしているのが丸山

大曲の上部にはまた大きなデブリがあります。
このデブリが向かって右側の斜面から雪崩が起きた際に防壁となってくれることがあります。
したがって、大曲から丸山までは向かって左側を歩き、丸山から上は今度は大喰岳方面からの雪崩を避けるために、向かって右側を歩くと良さそうです

大曲から槍沢ロッヂは、何と言うか、いつも通りです。
一緒に下りたスキーヤーの森山さんは、槍沢ロッヂまで滑れたそうです。

槍沢ロッヂ下部

槍沢ロッヂ〜横尾は夏道が出ていたり、雪の上を歩いたり。
一ノ俣より下は、流石にズボズボ嵌ってしまい歩きにくかったですが、これは例年通り。

問題はこの後の雨または雪がどれだけ影響を及ぼすか。
雨が降ってしばらくすれば安定しますが、雨の直後は雪崩のリスクが高まりますのでご注意ください。

アドバイス頂いた森山さん、ありがとうございました。

最後に、先日ヘリで下山した方の映像です。
稜線部の雪の少なさがよく分かる映像になっています。