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槍ヶ岳山荘グループの山小屋を利用される方は必ずご一読ください。

アンケートの結果を受けて①  〜宿泊の予約制について〜

先日、このブログと当社のSNSで呼び掛けを行い、利用者にアンケートの協力を募った結果、1,614人もの方にご回答頂きました。協力してくださった皆様に、深く感謝申し上げます。アンケートを公開していたのは令和5年1月7日(土)の昼頃から実質3日間だけでしたが、これほど多くの方に回答して頂けると思っておりませんでした。本当にありがたいことです。同時に昨今の山小屋利用の変化に対する利用者の関心の高さがよく分かりました。

アンケート実施時に結果は公表すると記載しておりましたので、遅くなりましたがこのブログにて公開させて頂きます。

アンケートの結果は、こちらから確認できます。

※実際のアンケートに記載した質問の文章を省略して記載しています。

※自由記述については記載していませんが、885人の方が書いてくださいました。ありがとうございます。全て拝読しております。

 
 これだけ多くの方にご協力いただいた訳ですから、アンケート結果を公表するだけでなく、山小屋業界全体で活かしていきたいと思います。先日行われた北アルプスの山小屋組合の会議でも説明させて頂きましたし、他山域のオーナーさんにも共有しております。

 また、当然とも言えますが、アンケートを通して予約制や料金面などに対し、様々な考え方があることを改めて感じました。私たちとしてはその全ての要望に応えることは出来ませんが、山小屋が存続して担うべき役割をきちんと果たし、登山文化がしっかりと維持継承されていくことが最も重要です。その為には、利用者側と受入れ側双方の歩み寄りが必要だと考えますし、受入れ側としては過不足ない情報の発信が必要だと思いました。アンケートの結果を見て頂ければ分かる通り、今回ご協力頂いた皆様の多くはかなりの頻度で山に登られており、事情を理解されている方々だと思いますが、それでも山小屋の利用の仕方がここ数年で急激に変化したことで、正しく認識されていない方も多く見受けられました。これは山小屋側の情報発信が不十分であることを示しており、丁寧な説明が求められていると感じた次第です。

 これから、今回のアンケートに対する補足や、全てではありませんが自由記述に対する返答、情報発信が不足していると思われる事柄への説明をこのブログに記載します。私個人の考え方に基づく説明であることは予めご了承ください。

 長くなりますので複数回に分け、今回は宿泊の予約制について書きたいと思います。テント場の予約については、別途述べさせて頂きます。


【宿泊の予約制について】

山小屋が予約制となったことに関連して、自由記述欄で緊急時の受け入れについて心配されている方が多くいらっしゃいましたが、山小屋が避難施設であることは今も昔も変わりません。怪我や体調不良、天候の急変といった際は、予約が無くても山小屋は受け入れます。これは山小屋が担うべき役割であり、これをしなければ山小屋とは言えないと私は考えています。

一方で、予約が取れずに山行を諦められた方々も多くいらっしゃいます。緊急時の受け入れについては誰もが納得してくださると思いますが、当日でも受け入れ可能であることを声高に開示してこなかったのは、それをいいことに意図的に予約なしで来られる方を牽制する為でした。当初は、これほどスムーズに予約制に移行できると思っていなかったことも理由として挙げられます。

また、予約制では縦走時に柔軟な対応ができない、自由な山行計画を立てられないという意見もありましたが、もちろん心情として理解できます。後述しますが直前キャンセルは多々ありますので、当日の受入枠の有無をHPに公開する、小屋によっては当日受入枠を予め確保し公表しておく(但し居住スペースの確保は保証しない)といった対応が考えられるでしょうか。前者はシステム面・運用面での課題があり、後者は小屋ごとの規模や構造による違いや感染症との向き合い方等の課題がありますので、今後継続して検討させて頂きます。

今回はここまでですが今後、宿泊料金、キャセル料と予約金、テント泊についても書いていきます。今回書いた宿泊の予約制については、キャンセル料金とも関連しますのでその際にまた補足もします。