2026年の営業について
2026/09/21
今回は秋の紅葉情報でも、シルバーウイークネタでもありませんので悪しからず。
山小屋で皆さまが口にする水、私たちも掃除、炊事にも使う水ですが、標高2000mを越えるこの場所で、蛇口をひねると当たり前のように水が出てくることが、実はどれほど貴重なことか、麓で生活しているときには忘れてしまいがちです。

ここで使う水は天水(雨水)と、500m程小屋から下った沢筋からポンプアップした沢水の2つです。
どれも雪解け水や山に降った水…冬の間に降り積もった雪や氷が、ゆっくり姿・形を変えて届くものです。
山自体が大きな貯水タンクの役割を果たしてくれていて、その恩恵にあやかって生活したり、山小屋を維持しているのだと、ここで暮らし働いていると実感します。
その水を小屋にポンプアップするまでには色々とドラマがあるんですが、それはこれまでにもブログで登場していますので、そちらを見ていただければと思います。
過去ブログ:真夏の大冒険~小屋に水をあげる
過去ブログ:大切で、有限!水
話しががらっと変わりますが、水に関わることとして
先月末、ネパール・中国国境付近で氷河崩壊が起因とみられる鉄砲水・土石流が発生し多くの方が命を落とされ、今もなお行方の分からない方が大勢いらっしゃいます。
この災害の原因は、専門家の方々が時間をかけて究明していくと思いますが、地球温暖化による気温の上昇によって世界各地の氷河が、過去に例をみないほどのスピードで融け、衰退や消滅し、山の斜面が不安定になっていることはずいぶん前から指摘されていたそうです。
遠いネパールだけの話ではなく日本の山、北アルプスにとっても無関係ではいられない変化だと思います。
冬の間の降雪量の変化や、梅雨時期の雨量、雪渓の融けるスピードによって、小屋の水事情は大きく左右されます。
以下は、2016年と2026年に撮影したババ平より槍沢大曲方面の写真です。
写真でもその違いは歴然。


水と一言で言っても、ひとたびその姿を変えれば大きな脅威にもなり得ます。
現に今年8月中旬、中房温泉登山口に至る道路(中房線)があれも鉄砲水のようなものだと思いますが、そこにあった橋と道路を破壊して通行できない状況がしばらく続きました。
山小屋で私たちができることは、本当に小さなことしかないのかもしれません。
それでも、一滴の水も大切に使うこと。変わりつつある自然環境・天候に関心を持ち続けて、山小屋の水、ルート上にある水場を使う際に、その水がどのような過程を経て出てきているのか、ほんの少しだけでも思いを馳せていただけたら嬉しく思います。

最後に、ネパールの友人がこんなことをSNSで発信していました。
山が好きで、ネパールにトレッキングに行かれた方、行ってみたいなと思っている方もいるかと思いますので、そのまま共有させていただきます。



今、ネパールを訪れることも、ネパールへの大きな支援です。
今年、洪水や土砂災害によって大きな被害を受けた地域があります。一方で、被害を受けた地域以外には、安全が確認され、旅行やトレッキングを楽しむことができる地域も数多くあります。
すでにネパールへのトレッキングや旅行を計画されている皆さまへ。
どうか、安全が確認されている地域への旅行まで、すべてキャンセルしないでください。
もちろん、なにより安全が最優先です。
そのうえで、安全が確認されている地域を訪れていただくことは、現地のホテル、ガイド、ポーター、レストラン、交通機関など、ネパールで暮らす多くの人々の生活を支えることにつながります。
今回の災害で大きな被害を受けたネパールにとって、皆さまがネパールを訪れ、現地で時間を過ごし、人々と出会ってくださることは、決して小さなことではありません。
「旅行を控えること」だけが支援ではありません。安全にネパールを訪れることも、支援のひとつです。
ヒマラヤは皆さまを待っています。
そして、ネパールの人々も皆さまを心から待っています。
1日も早く被災地域が復旧し、ネパールに再び笑顔と活気が戻ることを心から願っています。
以上、原文のまま

亡くなられた方々のご冥福を心からお祈りするとともに、被災された皆さまに、少しでも早く穏やかな日常が戻ることを願ってやみません。

ネパールの写真は全て2019年に撮影しました。