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あっという間の山小屋生活

下山前日にこんにちは。

アルバイターの西村と岡田です。

長くもあり短かくもあった山小屋でのアルバイト生活。
下山前日ということで振り返っての感想をお伝えしたいと思います。

山小屋アルバイトに興味のある方のご参考になれば幸いです^^

 

まずは一人目、西村です。

7月上旬に入山して3ヶ月半が経ちました。時が過ぎるのはあっという間に感じます。

思い返せば入山当初はまだ雪渓が残っていて、小屋開けに向けて登山道整備(雪切り、旗竿立て)、小屋内清掃、全ての食器洗い、調理手順を覚える、その他いろいろ、、、

覚える事も多く、慌しく日々が過ぎていきました。

その後、夏山シーズンには瞬く間に雪が溶け、草が生え緑が濃くなり、秋には紅葉(今年は黄葉?)になり、シーズン最後は雪が降り、山に住むと3ヶ月でこんなに季節を感じるのだと感心しています。

夏(8月上旬):大キレットから見上げる獅子鼻
秋(9月中旬):槍沢
冬(10月上旬):南岳と中岳

 

山小屋の仕事は、生活の基盤となる掃除、調理が主ですが、南岳小屋のような稜線上の小屋は水が大変貴重だと教わりました。

ですから節水を徹底して、洗い物も水を無駄にしないよう工夫していたり、水を無駄に捨てるなど論外な話です。

こういった貴重な経験も山小屋ならでは。

初めは下界生活との違いに戸惑いますが、慣れたら当たり前になってきました。

 

私にとって初めての山小屋生活。

入山する前は約3ヶ月間の共同生活を無事過ごせるのか、そして仕事ができるのか不安だらけでしたが、衣食住を共にする仲間ができ、毎日の生活に笑いあり、山の厳しさを教えてくれる頼もしい先輩がいて、本当に充実した日々でした。

そして良かった事がもう一つ、自分の心が寛大になるような気がします。

私が「山小屋に行こう!」と決心したきっかけは日々にストレスを感じ、疲れ果てたからだったと思います。

思えば、歳を重ねる事に不安や心配事が増えて焦っていたのでしょうか。

今ではきっかけを忘れるくらい自然に癒されました。不思議と山に力をもらっています。

自然の恵みを知り、脅威も知り、色々と教えて頂きました。

やっぱ山は良いよ!山に来て良かった!

ありがとうございました!

↑山の先輩、仲間達と私

 

続いて二人目、ついこの前入山した気がするのに気付けば下山が明日に迫っていてびっくりしている岡田です。

7月中旬に入山してから約3ヶ月間の山小屋生活、本当にあっという間でした。

入山当初、仕事内容は掃除や料理など家事の延長みたいなものだよーと言われましたが、水や燃料などを節約しながらだったり、大量の食材を使って料理するなどといった点が普段の家事とは違っていて。慣れるまでなかなか大変でした。

布団干しなど山小屋ならではの力仕事もあり、最初の頃は筋肉痛に襲われていたのも良い思い出です。

休憩時間には疲れ果てて昼寝することも…

 

貴重な晴れ間に布団を大量に干したり、嵐の日に冬戸をたてた薄暗い小屋のなかで掃除をしたり。

大賑わいの晴れた平日にてんやわんやしたり、お客様のいない嵐の週末に余った豚汁を食べたり。

自分が登山するときから思っていましたが、山での生活ってこんなにも天気に左右されるんだなぁと改めて感じました。

 


不便なことや気を付けることが多い生活でしたが、綺麗な朝焼けや夕焼け、快晴の青空や不思議な雲など、日々変わる素敵な景色をたくさん見ることが出来ただけでも、山小屋で働くという選択をしてよかったなぁと思います。

季節の移ろいと共に表情が変わっていく山の様子を見たり感じたりできたのは、山暮らしならではの体験だったと思います。

綺麗な夕焼けや雲海は、ずっと見ていたくなるくらいでした

 


休暇に付近の山を縦走させてもらえたのも、個人的にはとても楽しかったです。

特に、大キレットを複数回行き来することになるなんて、アルバイトをする前までは考えられませんでした。笑

憧れていた大キレットに挑戦!
常念岳より。南岳小屋は多分このあたりです。笑

 


色んな経験ができて色んなものが見られて、思いきって飛び込んでよかった!と思える3ヶ月でした!

明日下山。
寂しいけど、嬉しいなー!!