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登山道整備研修会&道なおし

こんにちは。梅雨入りしてからなかなかすっきり晴れる日が少なくなっていましたが、今日はお昼過ぎまで青空が広がり良いお天気でした。せんべい状態になりかけていた布団もフカフカになりました。

今週の14日、15日の二日間、上高地地域の山小屋スタッフを対象に、登山道整備研修会が開かれておりました。これは、北アルプス南部地域登山道等維持連絡協議会が主体の講習会で、持続可能な登山道の維持を目的としています。

一日目は座学の研修で、登山道の歴史や登山道整備の方法、その後の維持の仕方等についての基礎知識を学びました。
二日目は岳沢登山道にて実際に整備を行い、技術を学びました。二日目の整備の様子を少しお届けします。

約20名。普段関わることの少ない、他の小屋のスタッフと一緒に取り組みました。
before。雨が降ることで、土が流れてしまう状態。
after。石でステップを作り、その周りも土砂流出を防ぐため石を組んでいます。
こちらは別の箇所の整備後です。最下部に土留めとなる角材を埋め込み、その上に石を組んでいます。

登山道が整備されているからこそ、自分たちは登山が出来ているのだという意識はありましたが、実際に整備を学び実践して改めて、歩きやすい登山道が当たり前ではないことを実感しました。

普段歩いている道は、「どうすれば歩きやすいか。」「どうすればより長持ちするか。」一つひとつ考えられて出来ているということを身を以て知りました。
これからは花が咲き緑が綺麗になる季節ですが、ぜひ足元の道や石階段にも目を向けてみてください。登山の楽しみがまたひとつ増えると思います!

そしてこの登山道を長生きさせられるのは、我々を含めた山を歩く人たちです!
自分の一歩が、登山道に優しい一歩に出来るようにしていきましょう。

 

さて、先日のブログでもお伝えしましたが、重太郎新道にて土砂崩落により道なおしが必要な箇所がございました。
ということで早速研修の成果を発揮するべく、本日行ってまいりました。

まずは整備前。斜面をトラバースする道の崩落個所と、そのルートへの登り口を整備しました。

登り口。こちらは土が流れやすい状態で、簡単に崩れてしまいそうでした。
撮影を忘れており、写真下部の大きい石を置いた後に慌てて撮影しました。笑
トラバースする箇所。土砂が覆いかぶさっていました。
同じ場所を前穂側から撮影。

整備後がこちら!

ステップと土留めを担う石組みを行いました。
必要な箇所の土砂を取り除き、石を組んでルート確保しました。
前穂側から。

まだまだ未熟な整備ではありますが、ケガや遭難を未然に防ぐためにも、より歩きやすい道を作っていきたいと思います。
最後になりましたが、今回講習を開いて頂いた、北アルプス南部地域登山道等維持連絡協議会の皆さん、講師を務めてくださった信州まつもと山岳ガイド協会やまたみの皆さん、ありがとうございました!今後の登山道維持に生かしてまいります!

この研修会は、一般の方を対象としても行われていますので、興味があればこちらを覗いてみてください♪