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2025年の営業について

槍ヶ岳山荘グループの山小屋を利用される方は必ずご一読ください。

今年もよろしくお願いします。(槍沢登山道の様子)

こんにちは。
槍沢ロッヂと岳沢小屋は4月18日に、槍ヶ岳山荘は天候の関係で18日と19日に分かれて入山しました。
各小屋大きな被害はなく、小屋開け作業は順調に進んでおります。
営業開始は明日4月26日(土)からです。今シーズンもよろしくお願いします。

今年の入山メンバーです

今年の山は雪が多いかというと、非常に答えにくいです。
近年、雪が少ないのが当たり前になってきているので、何と比較すればいいのか分からないですし、今年は少し不思議な雪のつき方をしています。
簡単に言うと、下の方ほど多い印象です。

昨日、ヘリの荷揚げと上高地開山祭の対応で下山しましたので、槍沢の雪の様子をお伝えします。

まず、槍ヶ岳山荘の小屋周りの雪は多くありません。
入山時には、通常屋根まで埋まっていてもおかしくない玄関も半分出ていて、簡単に開けることができました。
冬の間の温度変化が少なかったからなのか、雪を掘り下げても間にほとんど氷板が無く、雪かきも非常にしやすいです。
全体的にザラメの雪なので、溶けるのは早いでしょう。

殺生ヒュッテ上部から槍方面

昨日は8時下山開始でしたが、既に殺生ヒュッテの上部からは雪がゆるんでいました。
一昨日の雨で融雪が進み、殺生の上部で岩が出始めています。
殺生の小屋周りもあまり雪は多くありません。

登山者の目印 旗竿立て

丸山付近まで旗竿を立てました。
本日、槍沢ロッヂから丸山まで立てる予定ですので、こちらを目印に登ってください。

グリーンバンドの下から槍方面

全体的にほとんどデブリもなく、スキーヤーにとっては最高です。
私も昨日は滑っておりましたが、ザラメ雪で最高のコンディションでした。
しかし、デブリがないと溶けるのも早いですし、何よりこのザラメ雪が問題です。

グリーンバンド下で腿まで雪にハマる槍平小屋の沖田さん

今日以降の風と気温低下でどうなるかまだ分かりませんが、とにかく足がハマってしまい、歩行が困難。
このコンディションのままだとすると、登りは体力を削られ相当苦労することでしょう。
上高地からの一発上がりはかなりのスタミナを要することになるかもしれません。
今後の天候やコンディションも考慮して、装備を考えて頂いた方が良いと思います。

大曲がりからババ平

今のところ大曲がり〜ババ平〜槍沢ロッヂまでしっかり雪が繋がっています。
ババ平はかつての例年並みには雪があり、ここ数年では最も多い雪の量です。

槍沢ロッヂ直下の大きなデブリ


槍沢ロッヂの直下に大きなデブリがあります。
ルート全体を通して目立ったのはここくらいです。

昨年の崩落箇所

こちらは昨年大雨で崩落し、ルートの付け替えをした箇所。
雪がなくなったら再度補修する必要がありそうです。

槍沢ロッヂ〜二ノ俣

昨年は槍沢ロッヂから下は大して雪を踏むことがなかったのですが、今年は横尾山荘さんまでしっかり雪があります。
冒頭に述べた通り、下へ行くほど雪が多い印象を受けます。

槍見沢

こちらも昨年大雨で崩落した槍見川原直下です。バランスを取りながら渡ってください。
ここは雪解け後に手を入れる予定です。

最後の横尾山荘さんへと続く直線

この時期はルートが夏道と異なります。
GWには多くの方が歩くことが予想され、それなりにトレースが残るとは思いますが、必ずしもそのトレースが正しいとは言えませんので、ご自身できちんとルートを見分ける必要があります。
また、横尾までの間も何度も踏み抜いて足を取られました。
余裕を持った計画を立てて頂きますようお願いします。

夕陽に照らされる西鎌尾根

最後に、こちらは4月21日の夕陽です。
今年も皆さんの山登りが素晴らしい体験となりますように。