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5月2日槍沢登山道状況

 こんにちは。一週間ぶりに槍沢を登り返したので、ルートの状況についてお伝えします。

 槍沢ロッヂまでは、予想通りほとんどの雪が溶けてしまったので、ロッヂの直下で少し雪上を歩く程度で、ほとんど夏道です。ロッヂまではアプローチシューズでもいいかもしれません。

 ロッヂの上からはずっと雪の上を歩くことになります。アイゼンはまだ無くてもいいと思いますが、ロッヂを出発前にゲイターは付けておいた方がいいかもしれません。ちなみに、ババ平の売店はまだ営業しておりませんので、テントの受付やビールの購入はロッヂで済ませておいてください。

 スキーヤー・ボーダーの皆さん、今年は既に沢がつながっているのはババ平までです。

ババ平〜大曲

 ババ平から大曲までは旗竿に沿って進んでください。沢の真ん中では雪渓の下に水が流れており、写真の通り一部では既に割れています。悪天候の後などで、旗竿が流されてなくなってしまっていたとしても、沢の内側を歩かないよう気をつけてください。

丸山〜グリーンバンド

 大曲から上はしっかり雪が残っています。きちんとした装備がない方はここから上には行けません。
先週下りた際はデブリが目立ちましたが、平で歩きやすくなっています。今日はこの辺りから風もなく照りつける太陽が暑く、汗だくで体力を奪われました。

グリーンバンドから上

 グリーンバンドから上も夏道と違い直登ルートですので、旗竿を頼りに進んでください。

 全体的に雪は踏み抜きもせず歩きやすかったです。スノーシューやワカンを使う場面はありません。しかし、今日のような好天の場合は時間の経過とともに雪が緩み、アイゼンもきかず、ずるずると足が滑ってしまいます。こうなってしまうと無駄に体力を奪われますので、早めの行動がおすすめです。

 また、スキー・ボード・ソリ・おしり・靴で滑って下りる方、後から登る方の為にもトレースを消さないようご配慮をお願いいたします。

穂先の様子

 最後に穂先の様子です。例年のことですが、頂上直下のハシゴの下にある「く」の字形に残っている雪渓が核心部分。ここの特に下りはアイゼンが必要となるため、他の雪のない場所でもアイゼンを付けたまま岩場を行動する技術が求められます。もちろん、この場所以外にも、写真では見えないだけで雪が付いている場所はあります。

 全体的に雪のコンディション次第で難易度は大きく変わります。信頼できる気象サイトの情報を基に、無理せず慎重にご判断ください。そしてこのゴールデンウィーク、大きな事故なく無事に皆さんが山を楽しめることを祈っております。