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9月の登山

さて9月となりました。槍ヶ岳では9月1日現在朝の気温は10℃弱です。

それでも日中の暑さは日差しの照り付けをうけ、まだまだ夏を感じます。月末に休暇あけで新穂高より入山した時の雑感ですが、槍平小屋までは街の暑さを想定して体力も十分、何とかなりますが、森林限界前後の日光を遮るものがない永遠の登りで、ぼんやりしてくるような熱中症よりの疲労がたまってくるのを感じました。「奥飛騨の赤い彗星」と呼ばれ新穂高から3時間弱で槍ヶ岳山荘までつく私ではありますが、この太陽の照り付けというのは疲労がたまり弱った身体の上にダメージを負わすもので、全力を発揮している状態においては、体力には関係のないものだなと思いました。明らかにここ数年で登山に影響する暑さというものも格段と上がってきており、上山時終盤は来年開催される某レースなんかは大丈夫なのかなといらぬ心配が頭をよぎりました。

大喰周辺の草紅葉

そんな9月の始まりでありますが、もっとも気候の変化が大きい月でもあります。

まず気温です。現在朝10℃ですが9月20日頃には氷点下となり、バケツの水も氷るようになります。

天候においても9月中旬から本格的な寒気をともなう前線の下降がはじまり、3回目ぐらいの下降で吹雪となります。おおよそ9月末から10月の頭。その頃にはアイゼンの携行が必要になります。

そして忘れがちなのは日照時間の短さです。現在槍ヶ岳の日の出が5:10、日の入りが18:28ですが、9月30日には日の出が5:34、日の入りで17:45となります。トータルして1時間、日照時間が短くなります。皆様が歩かれている沢のコースなんかは更に暗くなるのが早いものですから実質17時を過ぎると日没みたいなものです。とにかく年々晩御飯にも間に合わない遅着が増えており、今シーズンなんかはもう注意するのも億劫なほどですが、上記しているような気候になりますで、本当にしっかりとした計画で槍ヶ岳登山に挑んでください。

天候がよければ9月中旬の槍沢筋は涸沢に登山者が動く分、穴場だったりします。天狗池の紅葉やグリーンバンド帯から上部の草紅葉と槍を含めたモルゲンロートなど、空気が澄んでくるのもあいまってとても綺麗です。しっかりとした装備で山小屋が発信するような今を捉えた正確な情報取得のうえ是非ともお越しください。

今年はここの雪残ったな