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槍ヶ岳山荘グループの山小屋を利用される方は必ずご一読ください。

南岳新道のご案内

先日雪切りを完了した南岳新道は、岐阜県側である新穂高温泉登山口から当小屋までの距離的・時間的な最短コースとなります。今回はそのコースのうち槍平小屋~南岳小屋までのルートを順に追っていきます。

槍平小屋の玄関右手にあるウッドデッキ下部に南岳方面の標識があります。

小さな沢を渡り樹林帯を少し登ると「南沢」の大きな河原に出ます。河原を横切るように登っていきます。下りでは、南沢の河原から槍平小屋へと下る樹林帯のテープを見落としやすいので画像を参照してください。

左の沢筋や正面に誘われやすいですが、右下の赤色矢印へと下っていきます

南沢を渡ると標高約2100m。ここからまず標高2631m地点まで高度約500mをひたすら登ります。最初は土混じりの道も登るにつれて大きな岩がゴロゴロとした様相に変わっていきます。下りの場合は、大きな岩の下りが続きますので転倒には十分にご注意ください。

しばらく登るとルートは細尾根の上を歩くようになります。所々に木の梯子や木の板が敷いてありますが、濡れていると大変滑りやすいので、下りでは慎重を期すようにしてください。途中にはニッコウキスゲの咲く展望台があり、穂高を眼前に眺めることができます。

小さな広場になっているところが撮影ポイント

細尾根の傾斜が緩むと眼前に残雪が見えてきます。斜度のあるトラバースのため雪切りをしており、手前半分まではルートの際を歩きそこから雪上に移って30m程歩く形となります。雪上に移るあたりの雪はかなり脆くなっており、それ以外の箇所も早朝以外はすぐに緩みますので、軽アイゼンなどの携行をお願いします。

槍平側から 雪が上側まで残っている地点までは鎖に沿って
雪の上へと移るポイント 踏み抜きに注意
南岳側から
雪切りの幅 気温や天候によって刻々と変わりますのでご参考まで

残雪ゾーンを抜け木柱標識を過ぎると、標高約2850mから南岳小屋標高約2980mまで最後の登りへと突入します。下部はザレガレ中心ですので登下降時の落石に注意してください。木橋の据え付けられた薄いトラバースを抜けると尾根に戻り、標高2900mと書かれた黄色いペンキの標識を過ぎると登るにつれて尾根は広がっていきます。花々に出迎えられつつ南岳のたおやかな山容を左手に見ながら登るとやがて先客が張ったテントと小屋が見えてきます。

テントサイトの直下は、南岳まで登らずとも穂先がちょこんと見えますので、下段に張るのもいいかもしれませんね。穂高側を堪能されたい方は小屋の南にある獅子鼻までぜひ足を伸ばしてみてください。

登山地図などでは荒れたルートとして紹介されがちなこの登山道。距離の割に登高差はあるもののご覧のとおり足場もしっかりしており、何といっても上部3分の2程は展望に恵まれています。このあたりの主要な登山道を歩かれた方、新たな景色や発見を探しに、ぜひこのルートを歩いてみてくださいね。