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岳沢紅葉ワンデイハイキング

こんにちは、岳沢小屋元スタッフです。
紅葉・黄葉が見頃の岳沢へ今年もワンデイハイキングに行ってきました。(昨年は10月13日だったので今年は少し見頃が早めのようです)
岳沢も槍沢も涸沢も紅葉は今がピーク。
来週の天気予報を見ると、そろそろ紅葉も終盤となりそうです。出かけるなら、この週末ですよ
!!
さて、岳沢は上高地の登山口から深い岳沢の針葉樹林と登ること1時間で広い河原に出ます。そこからは眼前に穂高の岩肌、その麓を彩るダケカンバの黄色い林…
ここまででも十分に秋の穂高を楽しめますが、さらに頑張って岳沢小屋を目指しましょう!!

さらに登ること1時間半、岳沢小屋到着目前で広い河原を横切るところには真っ赤なナナカマドとバックには穂高の吊尾根。毎年、ここで写真を撮っている人はたくさんいますね。

上高地から2時間半、岳沢小屋に到着です。
涸沢や槍沢の紅葉も素晴らしいですけど、ここのポイントはなんと言ってもその近さ!!涸沢や槍沢でこうした山岳景観に触れるには6~7時間歩かないと辿り着けませんが、岳沢なら2時間半で到着です。登りは少し急ですが、横尾までと同じ時間でこの景観を得られるのは大きなアドバンテージです。
小屋の西側には西穂高岳~天狗の頭のギザギザの稜線。

その反対側は明神岳~前穂高岳のこちらもギザギザな稜線。
眼下には上高地、手軽に秋の穂高の絶景を手に入れるなら断然岳沢がおすすめです。(元スタッフ談)

また、小屋からさらに20分ほど登ると一面の黄色いダケカンバ林に沈む岳沢小屋や上高地・焼岳・乗鞍岳も一望できます。元気のある方はぜひ、もう少し足を延ばしてみてください。
なお、岳沢の紅葉がキレイに見られる時間は9時~15時。深い谷の底に位置するために日照時間は短く、それ以外の時間は日陰となって、せっかくの景色もきれいに見えません。
小屋にお泊りいただくのはありがたいことなのですが、小屋の到着が16時、翌朝の出発が午前7時なんて方も多く、それではせっかくの景色の半分も楽しません(穂高方面へ登りに行くというのなら話しは別ですが)
ですので、岳沢の紅葉だけを目当てに来るのなら日帰りで来られる方がおすすめです。夜行バスや夜のドライブは苦手という方は、上高地や平湯温泉、あるいは松本などに前泊されるといいでしょう。

さて、昨日のブログでもお伝えしておりますが、岳沢小屋は水不足に陥っています。不足というか、貯水タンクに貯めた水しかありません。
8月後半は雨続きだったのですが、9月中旬以降は雨がほとんど降らず、小屋の水源である扇沢という奥穂高岳の南斜面を源頭とする沢の水がほとんど枯れてしまいました。これは過去にないことです。

左:今日  右:例年の様子

過去の氷河や激しい流水で磨かれた扇沢の末端はゴルジュと呼ばれ、穂高岳を形成する岩盤が露出した場所になっています。そこには広い扇沢の涵養域から集まった地下水が滔々と流れているのが常なのですが、今年の秋は異常少雨のためにこんなにチョロチョロと舐める程度の水しか流れてませんでした。この量では小屋までの数百mの間の導水パイプで引くだけの水は集めようがありません。
今日はなんとか出来ないものかと、岳沢へ出かけた次第ですが、これでは手の打ちようがありませんでした。
あとは雨が降ってくれるのを待つしかありません。
本当に水がありませんので、ぜひ登山口の湧き水をしっかり補給のうえお出かけいただければと思います。