2025年の営業について
2025/09/28
こんにちは、8月末から入山したアルバイト タナザワ です。
この記事では、3泊4日、休暇の山行の記録と感想を書きます!
行程
・1日目
岳沢小屋→前穂→奥穂→涸沢→横尾→槍澤ロッヂ
・2日目
槍澤ロッヂ→槍ヶ岳→南岳→南岳小屋
・3日目
南岳小屋→北穂→穂高岳山荘
・4日目
穂高岳山荘→岳沢小屋
というルートで歩きました!
小屋で働き始めて早3週間。
普段とは大きく異なる生活に加え、目に入ってくる雄大な山々に少しずつ慣れてきたところで、ようやく訪れた4日間の休暇。
系列の小屋に泊まらせてもらえるということもあり、純粋に山を歩くという楽しみと、他の小屋に足を運ぶという楽しみも加わり、普段の登山とはまた違った面白味がある山行でした!
まずは前穂。
休憩時間の散歩で、カモシカの立場くらいまでは歩いていたのですが、そこから先は、ほぼ初めて歩く道だったので、景色を楽しみながら歩きました!
紀美子平から山頂までは、迫力のある道で、山登り感を満喫できました!
そこから、吊り尾根を経て、奥穂へ向かいます。
鎖場は、一方通行で、団体の登山客とすれ違うことが難しいので、その手前で休憩を取りました。
外国人の団体も多くて意外でした!アジア人から、ヨーロッパまで、多国籍の方々と交流できるのは、英語の勉強にもなるので、とても楽しいです!
奥穂からはザイテングラードを歩き、横尾まで下りました!
もちろん、忘れずに涸沢岳にも寄り道をしてから下り始めました。
ところどころ、木々が色付き始めていましたが、まだほとんど紅葉はしておらず、残念でしたが、変わらず、天気は最高だったので、ゆっくり歩けました!
行程を見ていただけると、疑問に思うかもしれないのですが、また、涸沢岳から岳沢小屋まで戻るルートなんです笑
涸沢岳から北穂方面に向かわず、一度降りてから、槍沢経由でまた登る。
休暇の時間をふんだんに使って、普段では歩かないような、自由奔放な計画を組めることも休暇ならではなのではないでしょうか。
そのまま横尾山荘まで下り、ランチを食べてから、今度は本日の宿、槍沢ロッヂへ向かいます!
沢の音に耳を澄ませて歩いていると、あっという間に到着してしまいました。
槍沢ロッヂでは、なんと、宿泊者は、お風呂にも入れるんです!あったかいお湯に浸かると、体が生き返ります。
夕食は槍沢ロッヂの従業員や、アルバイトの方々と一緒に食べさせてもらいました。小屋によって、夕食時間の雰囲気や、余暇の過ごし方も様々で話を聞いていて面白かったです。
2日目は、まずは槍の穂先まで歩きました!
長い道のりを無心でひたすら歩きました。「大丈夫、この後の稜線はきっといい景色」と心に聞かせ、歩きました。
穂先を眺めると心が折れそうになるので、なるべく見ないように歩きました。
途中、沢の水で顔を洗い、疲れを紛らわしながらなんとか殺生ヒュッテまでたどり着きました。
目当てだったキャロットケーキはありませんでしたが、このオレオチーズケーキがめちゃくちゃ美味しかったです。
これから、槍に行く予定のみなさん、無くなる前にぜひ!
少し休憩して、槍の穂先に挑戦です。
以前に一度登っているのですが、やはり、何度歩いてもおっかないハシゴですね、、
北鎌尾根の方向を少し覗いてみますが、こんなとんでもないルートを登って来る変態がいるなんて、山は広いですね。
その後は槍ヶ岳山荘にちらっと寄り、本日の宿、南岳小屋に向けて出発です!
ここの道が今回の山行史上、トップレベルに最高でした!!
天気も良く、平坦な稜線の上を歩きます。大喰岳、中岳を通り越して、南岳へさらに歩きます!
振り返れば、槍の穂先が見え、自分の軌跡を感じます。人間意外とたくさん、歩けるもんだなと感慨深い気持ちになりました。
(正直、槍は遠くから見る方が好きかもしれません)
南岳小屋では岳沢小屋にはないメニューの、きつねうどんをいただきました!温まります。
稜線の小屋ということもあり、夕方の景色は絶景でした!雲海が綺麗に広がり、感動ものです!
1年前まで、岳沢小屋の支配人だった方が今は南岳小屋の支配人をやられています。
とてもユニークな方で、初めて訪れた小屋でしたが、また行きたいと思わせてくれました!
3日目は、ついに大キレット!
さらに、お洒落でおいしいコーヒーが飲めるという北穂高岳山荘に行ける贅沢な一日です。
前日の夜には母から心配のメールがきますが、僕の足は止まりません。
大切戸(大キレット)ステッカーを購入し、出発です!
まずはキレットの底までめちゃくちゃ下ります。このあとの登りが楽しみで仕方ありません。
有名な長谷川ピーク。画像で見るよりも、広いスペースがあり、写真撮影している方もいました。
ちなみにですが、南岳小屋の従業員は、長谷川ピークのことを「はせピー」と呼んでいました。(笑)
そんなに、かわいいもんじゃないですね。
足場がしっかりと整備されているおかげで、安全に歩けました。整備してくれた方々に感謝です。
振り返ると目に映る絶景に、畏敬の念を感じながら、もう終わってしまうのかと、思わずペースを落としながらのんびり景色を味わいました。
剱岳のカニの横這いを思わせるような道を進み、あっという間に北穂高小屋に到着。
今朝、南岳小屋で一緒だった素敵なお姉さんたちと再会し、大キレットを踏破した者同士、称え合いました。
そして、念願だった北穂のコーヒー。
コーヒー好きの僕からしたら山で美味しいコーヒーが飲めるなんて、至福すぎました。
一息ついたところで、本日の宿、穂高岳山荘に向けて出発です。
北穂高岳の南峰を経由して、向かいます
キレットを越え、コーヒーもいただき、もうお腹いっぱい……という気持ちでしたが、ここから涸沢岳までの道のりが思っていたよりも険しく、人も少なかったため、予想外にも充実した山行でした。
満腹のお腹にデザート感覚で新しい景色がどばどばと流れ込んできます。
穂高岳山荘に到着したのはお昼前で、加えて、今日は仕事もないので、とことんゆっくりしてやろう。と意気込んでいたのですが、普段はランチ営業で働いている時間だったので、何か申し訳ない気持ちになってしまい、暇を持て余してしまいました(笑)
今まで、山小屋でどうやって過ごしていたんだっけ……
とはいっても、なんだかんだ、漫画『岳』を読みふけり、知らないおっちゃんにクライミングについて散々語られ、あっという間に消灯でした。
最終日だけは天気に恵まれず、雨と風に散々体力を持っていかれましたが、それまでずっと晴天だったことを想えば、最後くらい悪天でもかまいません。
初日に歩いた吊り尾根、重太郎新道を再び歩き、明日からまた仕事かぁ~と休暇の山行を振り返りながら岳沢小屋までノンストップで歩きました。
(いつもそうですが、)終わってみれば、あっという間の3泊4日でした。
布団干しの時や、休憩時間に毎日のように眺めていた景色でしたが、いざ歩くとなると、やはり、新鮮で終始胸が高鳴りました。
さらに、複数の小屋の裏側を除き、小屋によって、雰囲気が異なり、お客さんとして利用する時とは全く違う角度から山小屋を楽しむことができました。
休暇でここまでハイクオリティな山歩きができるなんて、山小屋バイトはなんて贅沢なんだ!と思いました。
次はどこの山を登ろうか……