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アイスブレーカー着て山にいこうぜ!

こんばんは。
稜線ほどではありませんが、標高2160mの当岳沢でも近頃は順調に寒さが増していきます。
平素、素足と健康サンダルで生活する僕にとってもいよいよ勝負時となってまいりました。
そんなシーズン末期の北アですが、皆様どのようなレイヤリングで臨みますか?
前もって断わっておくと、今日は異例の販促回。
ご紹介したいのはアイスブレーカー社のメリノウールの肌着です。
自然と文調が通販めいてきますね(笑)

この山岳の世界、登山の歴史は常に機材の進化とともにありました。
華々しい初登記録や新ルート開拓はたいてい軽量化や性能の向上が図られた装備類の進化によって支えられてきました。
麻縄からナイロンザイル、ビニールからゴアテックス、鉄からアルミ・チタン等々、目まぐるしくアップデートの連続でした。
衣類もまた例外では無く、ダウンを除けば、進歩著しい化学繊維が昨今圧倒的なシェアを占める中、寒冷期の肌着においてはいまだに天然素材が同等かそれ以上の性能で拮抗しているのは面白い事実です。
その最たるものがメリノでして、理屈はともかくミソは調温調湿効果。
運動時と休憩時の体感温度変化のギャップを緩やかに埋めてくれる働きだそうで、発汗後でも温もりが失われにくい特性です。
また今まで化繊一本でやってきた自分にとって衝撃だったのが、肌触りの良さでした。着心地なんぞ山に必要か、と内心唾棄すらしていたのですが、ゴメンナサイ僕が知らなかっただけでした(笑)
滑らかに袖を通したその瞬間から、包むような温もりを発し始めるきめの細かいウールの質感は、現状の化繊では再現不可能と思われ、 綺麗好きな支配人が許せば、永遠に着てても良いような快適性(許しません)。 コノあたりが天然素材の底力なのでしょうか。
僕たち小屋番は、シーズンを通じ配属先の小屋にほぼ常駐します。
目ん玉がおかしくなる位に一面雪で真っ白な春先から、
むせ返るほどに若葉が萌ゆ新緑の時期
憂鬱なほど永遠に終わらない雨だれを聞く梅雨
生ビールが飛ぶように売れ、上裸の外人が頻出する真夏
暑さもひと段落し、台風に怯える秋
そして紅葉、初雪、水道配管凍結に泣き、小屋閉めと。
だいたいシーズンの最低は-10℃弱、最高は25℃ほど、あとはその間を緩やかに推移していきます。
シンドイのはもちろん春先と晩秋。
特に春先の入山直後は大半が重労働。それも昼飯を食った直後に部屋でカロリーメイトをかじるような運動量(笑)でして毎年、きまって夕方など汗冷えに悩まされます。
今年はモニターとして支給されたメリノの肌着を序盤から実践投入。
当初一切信用していなかったのですが、腕が腱鞘炎寸前まで雪かきをした後でも大した汗冷えもなく、なるほど、これがメリノかと感心しました。

春先の作業風景の好例。もう一度同じコトをやれと言われても出来ない苦役の数々。
平静ではとてもやれない(笑)

そもそも僕ら小屋番は、登山用具メーカーらが抱える、アンバサダーやテスター達とは違い、極限のパフォーマンスなどとは無縁ですが、あくまでデイリーに酷使する作業着の観点でしか語れません。
しかし我々の業務は、人命救助から晩メシのオカズまで多岐に及び、おまけにザック一個に家財道具を突っ込んで入山しますんで、大して衣類なんてありません(大いに個人差あり)。
よって必然的に学生の部活並みのハードユースになるため、ウェアに求める性能は耐久性と汎用性。余計なものを約分すればコレに付きます。
繊維の宿命でもある型崩れやヤレに目を瞑らせてもらえれば、メリノはこの両者を十分満たしていると思われ、先述の調温調湿効果で北アで通年着られる守備範囲の広さは、多くの小屋番から絶大な支持を受けるパタゴニアのR1ジャケットや、ファイントラックのストームゴージュアルパインパンツ等と並び立つポテンシャルを感じました。

メリノ200を着て休憩中の作業員。正確に言えば憩ってるのではなく重労働で途方に暮れている。
寒暖差が激しいこの時期もメリノは十分対応してくれる。

ちなみに多くのメーカーで扱われる肌着ですが、大概カラーが白、黒、灰等のベーシックな配色が多いのです。
そんな中アイスブレーカー社のメリノは色が際立って多く、落ち着いた風合いのマットなカラーリングが良いですね。
僕が支給されたのはモスグリーン。大好きな色だったので内心、酷使したくなかったのですが、これがモニターのつらいとこですかね(笑)
下山したらネイビーかエンジをこっそり買おうかと思っています。

最後にコレは完璧に蛇足で恐縮ですが、当初アイスブレーカーと聞いてまず浮かんだのが京都の酒蔵が造る、オンザロック専用の同名の日本酒でした(笑)
こっちのモニタリングも是非やりたいですね!(余所でやれ)

以上、肥沼でした。